九州在住の昆虫写真家・新開 孝さんと、
2日続けて横浜市内のフィールドを歩いてきました(11月30日と12月1日)。
わが家にお泊りいただいたので、夜も虫談議に花が咲き、
非常に含蓄のあるお話を楽しく聞かせていただきました。

新開さんの代表的な著書のひとつに、
『虫のしわざ観察ガイド-野山で見つかる食痕・産卵痕・巣』(文一総合出版)
がありますが、昆虫が自然の中に残した生活痕を「しわざ」と呼び、
みごとな写真とていねいな解説で、類書の追随を許さない痕跡図鑑に仕上がっています。
今回は、その「虫のしわざ」マイスターと冬の雑木林を歩くということで、
どれだけの痕跡を発見できるか、楽しみにしていました。

冬らしい澄み切った青空のもと、
ヤツデの花にはクロオオアリが来ており、この寒さの中でまだ活動中です。

ヤツデの花を訪れたクロオオアリ
「ヤツデの花を訪れたクロオオアリ」

うす暗い森の中に入ると、いきなりおびただしい鳥の羽が。

オオタカの食事のあと
「オオタカの食事のあと」

オオタカが、狩りを行ったあとだそうです。
これも「生きものの生活痕」にはちがいありませんが、
予想外のスタートに、ちょっとびっくり。

ミズキの樹皮下で越冬昆虫を探していると…

樹皮下のUFO?
「樹皮下のUFO?」

こんなものがありました。
幼虫がササ類を食べるタケノホソクロバ(蛾)の繭だそうです。
秋になると、丸々太ったこの毒毛虫が、ササやぶを食べつくして丸坊主にする場面を
よく見かけますが、その後、このような閉鎖空間に移動して繭を紡ぐのですね。
ぼくは、てっきりササの根ぎわにもぐるのだろうと思っていました。

タケノホソクロバの前蛹
「タケノホソクロバの前蛹」

中を開けてみると、まだ蛹になってはおらず、
前蛹(ぜんよう…さなぎになる準備が整い、幼虫の姿のまま動けなくなった状態)で
越冬するようです。繭内で前蛹越冬するのは、イラガなどと同じスタイルですね。

コクワガタの産卵マーク
「コクワガタの産卵マーク」

転がっていた朽ち木の表面に、(・)マークを見つけました。コクワガタの産卵痕です。
いかにも古そうで、今年や去年のものではない感じがします。
相当に重い朽ち木ですが、二人で、えいやっ!とひっくり返してみると…。

ヤマトシロアリの集団
「ヤマトシロアリの集団」

そこには、おびただしい数のヤマトシロアリが。
自力で水を運べない種類なので、じゅくじゅくに湿った材を好むシロアリです。
アリといっても、ゴキブリに近い仲間で、本当のアリとはかなり縁の遠い虫です。
アリはさなぎになりますが、シロアリにはさなぎの段階がありません。
最初にアップしたクロオオアリとは、体形もかなり異なっていますね。

ヤマトシロアリの兵隊アリと働きアリ
「ヤマトシロアリの兵隊アリと働きアリ」

兵隊アリと働きアリがちょうど並んだので、
大きさと形態の差がわかる写真を撮ってみました。大きい方が兵隊アリです。

セミの産卵痕
「セミの産卵痕」

あずまやの支柱にあったセミの産卵痕。
ほかの支柱にもありましたが、雨のかからない場所なので、
ここで果たして孵化までいけるのかどうか?

アオマツムシの古い産卵痕
「アオマツムシの古い産卵痕」

この秋に産卵された産卵痕ならば、たいてい樹液がにじんでおり、
あちこちでよく目につくものですが、アオマツムシの産卵痕が、
時間とともにX字形に大きく裂けていくことを初めて知りました。
これまでにも見たことがある樹皮の傷でしたが、
これも、アオマツムシのしわざだったとは…。

ミノウスバの産卵
「ミノウスバの産卵」

マユミの木にいた、産卵中のミノウスバ。
母虫の体毛で、卵を覆い隠すように産卵します。

ミノウスバの卵塊
「ミノウスバの卵塊」

母虫の姿がなくても、特徴あるミノウスバの産卵痕はよくわかりますが、
虫の生活痕の中には、まだ十分に正体が解明されていないものも無数にあります。

『虫のしわざ観察ガイド』の続編がいずれ出ることを期待しつつ、
ぼくも自分のフィールドで、ぼくなりの観察を深めていきたいと思います。

「虫のしわざ」マイスター 新開 孝さんと
「「虫のしわざ」マイスター 新開 孝さんと」
 ニコンプラザ新宿で、今森光彦さんの写真展「オーレリアンの庭」が始まりました。

「今森光彦写真展:オーレリアンの庭」
「今森光彦写真展:オーレリアンの庭」

オーレリアンとは、「チョウを愛する人」という意味です。
10月29日には写真展のオープニングパーティーがあり、参加させていただきました。

「オープニングパーティー」
「オープニングパーティー」

すばらしい写真の数々に、時間が経つのも忘れて、しばし見入ってしまいました。
会期は11月18日(月)までですので、お近くの方は、ぜひご覧ください。
毎日10:30~18:30で、最終日は15:00で閉館ということです(日曜日は休館)。

 さて、少し前にこのブログでもご紹介した日本昆虫協会による「夏休み昆虫研究大賞」
の審査会が終りました。

「審査会場」
「審査会場」

小・中学生しか応募できませんが、研究論文のレベルは、相変わらず呆れるほど高く、
「小・中学生にしてはすばらしい」というエクスキューズなど不要で、
「大人と対等に勝負できる」ものがいくつもありました。
実に頼もしいというか、末恐ろしいというか…。

正規の賞数には限りがあるので、本来ならばもっと高位の賞でも
よいのでは、というお二人に、審査員特別賞として、森上賞を出しました。
表彰式でお会いできるのが楽しみです。

「審査員特別賞」
「審査員特別賞」

ただし、これも例年のことですが、写真の応募作品は低調でした。
イマドキの小中学生が撮る昆虫写真がいかにすばらしいかを、ほかで見て知っているので、
みんな、ほかのコンテストに応募してしまうのかな?

 10月24日に、霞が関の官庁街を歩いていたら、オオムラサキツツジの葉に、
ルリチュウレンジの産卵痕があるのを見つけました。

「ルリチュウレンジの産卵痕」
「ルリチュウレンジの産卵痕」

すぐ近くに成虫もいました。こんなハチです。

「ルリチュウレンジ」
「ルリチュウレンジ」

オオムラサキツツジは常緑樹ですから、このまま葉の組織内で卵越冬するのだろうと
思っていましたが、幼虫が孵化していてビックリ。

「ルリチュウレンジの産卵痕と1齢幼虫」
「ルリチュウレンジの産卵痕と1齢幼虫」

調べてみると、どうやら幼虫は冬が来る前に育ち切り、浅い地中で繭を紡ぎ、
前蛹(ぜんよう:幼虫の姿だが、さなぎになる準備のために体が縮んでしまって
もう身動きできない状態)の状態で越冬するようですね。
ルリチュウレンジは身近な虫ですが、生活環を十分理解していませんでした。
漢字では「瑠璃鐫花娘子蜂」と書きますが、この名前の由来には諸説あるようです。
 耳慣れたアブラゼミの鳴き声が、朝の8時を回っても聞こえてこないと、
どうにも落ちつかない自分がいます。
いつも当たり前のようにそこにいてくれるはずのアブラゼミは、
季節限定の、夏だけの隣人なのだなあ…と、毎年この時期になると思い知らされます。
それでも、まだしばらくは生き残りがいるもので、
気温の上昇とともに、ようやくアブラゼミが鳴き出すと、
ああよかった! 今日もまだ夏だ! と胸をなでおろすのです。

毎年、死刑宣告のような夏の終了宣言をぼくに言い渡すのはアブラゼミで、
その鳴き声が途絶えると、夏も完全に終りという感じ。
アブラゼミの鳴き声こそが、日本の夏の通奏低音であると思っています。
関東の平野部にいる6種類のセミ(クマゼミを含みます)のうち、
最も遅く鳴き始めるのはツクツクボウシですが、
最も遅くまで粘るのはアブラゼミでしょう。

晩夏のアブラゼミ
「晩夏のアブラゼミ」

そんなわけで、本来ならば個体数の多い盛夏に撮るべき虫ですが、
ぼくのアブラゼミの写真には、9月に撮影したものが多い。
いつもそこにいたはずの隣人が、カメラを向けたくなるような
特別な存在に変わっていくからです。
衰えた日ざしを増幅して跳ね返すような褐色の翅が、ひときわ輝いて見えました。

アブラゼミのおしっこ
「アブラゼミのおしっこ」

1枚目の写真と同じ個体です。
カメラを向けることも忘れてぼーっと見ていると、
ぼくの目の前でたびたびおしっこをするので、昆虫カメラマンとしてようやくわれに返り、
おしっこが写る暗い背景を選んで、高速で連写してみました。

アブラゼミの産卵
「アブラゼミの産卵」

別の木を見れば、次世代に命を繋ぐメスの姿がありました。
孵化は、来年の梅雨時です。
その後、幼虫にはおよそ5年にもわたる地中生活が待っています。
このメスの孫世代が地上に姿を現す頃には、
ぼくはもう、足腰が立たなくなっているかもしれないなあ…。

セミヤドリガの繭
「セミヤドリガの繭」

足もとには、セミヤドリガの繭がありました。
幼虫がセミの腹部に寄生し、セミの体液を吸って育つ蛾です。
充分に育ったセミヤドリガの幼虫は、セミから離れ、
こうして下草などに下りて白い繭を紡ぎます。

セミヤドリガの成虫
「セミヤドリガの成虫」

ヒグラシに寄生することが多い蛾ですが、
この森では、圧倒的にアブラゼミで見つかることが多い。

アブラゼミに寄生するセミヤドリガの終齢幼虫
「アブラゼミに寄生するセミヤドリガの終齢幼虫」

1ヶ月ほど前には、こんな姿でアブラゼミのおなかについていたことでしょう。
3匹のセミヤドリガの終齢幼虫を抱えたアブラゼミです。
寄主を殺めてしまう「捕食寄生」とは異なり、
寄主と折り合いをつけて共存することも可能な「真の寄生」と言ってよく、
これは昆虫界ではむしろ珍しい、なかなか手練れの寄生スタイルと言えそうです。

セミヤドリガの寄生を受けたセミが、どんなダメージを負うのか、
実はまだよくわかっていません。
もっとも、丸々と太ったセミヤドリガの幼虫をおなかに抱えたアブラゼミは、
翅をきちんと畳むことができず、白い幼虫の姿が遠目にもハッキリ見えることが
ありますから、鳥など、ほかの天敵に見つかりやすくなることはありうると思います。

白僵病(はっきょうびょう)菌に冒されたアブラゼミ
「白僵病(はっきょうびょう)菌に冒されたアブラゼミ」

アブラゼミの受難はここにも。
ボーベリアとも呼ばれる昆虫病原糸状菌のしわざです。
こちらは容赦なく、このアブラゼミの命を奪っています。

日が暮れてから、森の奥深くに分け入ってみました。

緑僵病菌? に倒れたアブラゼミ
「緑僵病菌? に倒れたアブラゼミ」

こちらは、緑僵病菌?
森のこの区画は、まるでアブラゼミの墓場でした。
体の節ぶしから白や緑の菌類を噴き出させ、
樹皮に磔(はりつけ)にされたような姿で、おびただしい個体が死んでいるのです。

謎の死にざま
「謎の死にざま」

菌類に冒されて死ぬのは、原因がハッキリしているだけマシですが、
こんなふうに全身を引きつらせて絶命している個体もいくつかありました。
何とも薄気味が悪い。ぼくはこのような死にざまを初めて見ました。

アブラゼミとともに、ゆく夏をしみじみと惜しみたかったところですが、
この日はどうしたことか、こんな後味の悪い幕切れに。
今年はあと何日、アブラゼミの鳴き声が聞けるでしょうか。


※ 今年も、日本昆虫協会が主催する「夏休み 昆虫研究大賞」の審査員をします。
  9月29日(日)必着ですので、応募される方はお忘れなく!
  http://nikkonkyo.org/kenkyu-taisyo2019.html
 8月18日の長池公園での写真セミナー、8月24日のすみれば自然庭園での講演会に
お越しくださったみなさま、ありがとうございました。

「8月18日の長池公園セミナー風景」
「8月18日の長池公園セミナー風景」

野外で行う後半のプログラムに出発する一行。先頭にいるのがぼくです。

「8月24日のすみれば自然庭園講演会風景」
「8月24日のすみれば自然庭園講演会風景」

プログラム前半の室内でのお話。右端の後ろ姿がぼくです。
たくさんの方にお越しいただきました。

 さて、今年は自前のライトトラップ機材を買ったので、
好きな時に好きな場所でライトトラップができるようになりました。
ガソリン式の大型機材ではなく、充電式の小型のものなので、撮影機材を満載した
ぼくの軽自動車にも、なんとかライト機材を積み込むだけのスペースが残ります。

光を投影する幕ですが、シーツなどの大きな布は、やはり荷物になるので、
着ている白いYシャツを脱いでハンガーにかける、という名案を思いつきました。
これなら、針金ハンガーだけ持っていけばよく、ほとんど荷物は増えません。

「白いYシャツに投影されたライト」
「白いYシャツに投影されたライト」

脱いだYシャツの下には、もちろんもう1枚Tシャツを着ているのですが、
名案だと思えたこのYシャツ方式は、ライトトラップ調査会に参加した女性には
たいへん評判が悪く、「首吊り死体みたいだから、こんなのイヤ!」とのことで、
女心がわからないオッサンのデリカシーのなさを露呈してしまいました。

集まってきた虫も、ヘビー級の種はつるつるすべるYシャツ生地が
お気に召さないようで、胸ポケットに集中することに…。

「ライトに来たウンモンスズメ」
「ライトに来たウンモンスズメ」

「ここなら止まりやすい」
「ここなら止まりやすい」

また、光が投影されたYシャツよりも、投光器そのものに虫が集中し、
ライトの熱で参ってしまうという致命的な欠点もあり、最終的には、
「ベビー用品の蚊帳」にライトをすっぽり入れてしまうという方式に落ちつきました。
この蚊帳は、畳むとぺちゃんこになるので、全く荷物になりません。

「ベビー用品の蚊帳とライト機材」
「ベビー用品の蚊帳とライト機材」

これは山梨県で、ひとりでライトトラップをしてみた時の写真ですが、
なかなかみごとな「集客力」を示しました。

「ライトに集まってきた虫たち」
「ライトに集まってきた虫たち」

この林はアカアシオオアオカミキリが多く、その他の樹液昆虫も非常に多いことから、
ここでの樹液浸出には、生木の内部を食べる本種の幼虫が
大きく関与していることでしょう。

 今年から取材カメラにオリンパスのカメラを追加した、ということは、
以前このブログにも書きましたが、
オリンパスOM-D E-M1mk2カメラの「プロキャプチャーモード」の威力は想像以上で、
こんな写真が簡単に撮れるようになりました。

「棒の先に止まろうとするウチワヤンマ」
「棒の先に止まろうとするウチワヤンマ」

ウチワヤンマが棒の先に止まってから、シャッターを切っています。
しかし、その前からカメラは間断なく撮影と消去をくり返しており、
シャッターボタンを押し込んだ瞬間、そこから過去に遡って撮影済みの一定枚数を
初めて保存します。そんなわけで、シャッターを押す前の「過去」が写るのですね。
ぼくは虫とスピード勝負をして、このような決定的瞬間を切り取るような撮影が
実はとても苦手なので、この機能の恩恵は計りしれません。
初めて使ったプロキャプチャーモードでこれぐらい撮れてしまったので、
今後はこうした撮影が楽しみになりそうです。

※ 今年も、日本昆虫協会が主催する「夏休み 昆虫研究大賞」の審査員をします。
  9月29日(日)必着ですので、応募される方はお忘れなく!
  http://nikkonkyo.org/kenkyu-taisyo2019.html
 著書を交換させていただいているみなさんの新刊を紹介したいと思います。
まずは、今の時期にぴったりのハンディな図鑑、税所 康正さんの『セミ ハンドブック』。

「『セミ ハンドブック』税所 康正著(文一総合出版)」
「『セミ ハンドブック』税所 康正著(文一総合出版)」

いま大人気の文一総合出版のハンドブックシリーズの1冊として刊行されました。
国産のほとんどのセミが掲載され、各種が見開き左右を使って
美しい白バック写真と生態写真で構成されています。
ぬけがらの検索表もあり、QRコードで鳴き声まで聞けるという至れり尽くせりの内容で、
昨年話題になった巨大な外来ゼミ「タケオオツクツク」も、しっかり収録されています。
コラムも充実しており、ここから夏休みの自由研究のヒントが得られるかもしれません。
税所さんのサイト「セミの家」はこちら(ぼくのブログの、リンク先一覧からも入れます)。
http://zikade.world.coocan.jp/Zikade.html

次に、ぼくと『昆虫の食草・食樹ハンドブック』をかつて共著で一緒に作った
林 将之さんの新刊『葉っぱはなぜこんな形なのか?』。

「『葉っぱはなぜこんな形なのか?』林 将之著(講談社)」
「『葉っぱはなぜこんな形なのか?』林 将之著(講談社)」

科学の本というより、とても楽しく読めるエッセイ集なのですが、
奥深いテーマがいくつか扱われており、読み進めながら、
いろいろなことを考えさせられます。
ぼくは読み始めてすぐに、あとでもう一度読みたい部分に線を引きながら
読むことになってしまい、その部分だけを何度も読み返しています。
生きものや自然に興味をもつ人なら、どのレベルの人にも響くところが必ずあり、
ぼくは自然と向き合うスタンスを、少々揺さぶられることになりました。
50年以上生きてきて、自然と向き合うスタンスを今さら揺さぶられるというのは
よくよくのことですが、この本には、それだけのパワーがありました。
将来、自然に関わる仕事をしたいと思っている若い人には、
ぜひ読んでいただきたいと思います。
林さんのサイト「このきなんのき」はこちら
(ぼくのブログのリンク先一覧からも入れます)。
http://www.ne.jp/asahi/blue/woods/

そして、いちばん最近読んだ本がこちら。
川邊 透さんと前畑 真実さんの『癒しの虫たち』です。

「『癒しの虫たち』川邊 透/前畑 真実著(リピックブック)」
「『癒しの虫たち』川邊 透/前畑 真実著(リピックブック)」

「虫セラピー」。 そんな言葉があるかどうか知りませんが、
タイトルどおり、虫の癒し効果にどっぷり浸れる本。
「虫が大キライ」という人の固定観念を根本的に変えることのできる本だと思います。
虫を、よくぞここまで愛らしく写せたなあ!と、ぼくは心から感動してしまいました。
世間では、虫の本といえば科学の本という扱いですが、
そういうステロタイプなカテゴリー分けを、完全に超越してしまった本と言えそうです。
科学の視点で編まれた本では、なかなか虫ギライを「治す」ことまではできませんが、
この本の「癒し」パワーなら、「キライ」を一気に「好き」にまで
引っ張っていくことができそうな気がします。
虫をここまで「リアルゆるキャラ」として描き切った視点と構成には大拍手です。
ぼく自身も、虫ギライを治す処方箋としての本の制作には使命感を感じており、
これまでに『虫のくる宿』、『虫とツーショット』、『虫・むし・オンステージ!』という、
『癒しの虫たち』と同じ方向性の本を出してきましたが、
この路線の同志が全然いないことに、寂しさと無力感も感じてきました。
そんなわけで、著者とそのご家族以外で、この本の出版を一番喜んでいるのは
ぼくかもしれません(笑)。 
川邊さんのサイト「昆虫エクスプローラ」はこちら
(ぼくのブログの、リンク先一覧からも入れます)。
https://www.insects.jp/

ぼく自身の本のお知らせが何もないのは寂しいので、月刊絵本のご紹介を。

「『ワンダーしぜんランド8月号「かぶとむしとくわがたむし」』(世界文化社)」
「『ワンダーしぜんランド8月号「かぶとむしとくわがたむし」』(世界文化社)」

幼稚園向けの直販誌『ワンダーしぜんランド』8月号の写真を担当しました。
書店では入手できませんが、もし機会があれば、ご覧いただければうれしいです。