5月5日、埼玉県内のいつものフィールドへ。

生きた昆虫の白バック撮影は、採集したモデル昆虫を連れ帰ってからが本番です。
2日ほど外出せずにスタジオにこもって撮影し、3日ぶりのフィールドとなりました。
外光の入らないスタジオで、1センチにも満たない昆虫ばかりを撮影していると、
まぶしい初夏の光があふれるフィールドは別世界で、まるで長患いの病人のように
目をしょぼしょぼさせながら、しばらく立ちすくんでしまいます。

この日のお目当てのモデル昆虫は、きわめて容易に採集できるものばかりだったので、
採集は後まわしにして、まずは楽しいフィールド撮影。
スタジオ撮影が続くと、たまのフィールド撮影はなんと楽しいものか・・・と思います。

ミドリシジミの幼虫の巣
「ミドリシジミの幼虫の巣」

沼のほとりのハンノキでさっそく見つけた、ミドリシジミの幼虫の巣。
葉を折り曲げて、「ぎょうざ」のような形の巣を作りますが、
これは若干いびつな「ぎょうざ」ですね。

ミドリシジミの幼虫
「ミドリシジミの幼虫」

巣を剥いてみると、もう十分に育ちきった幼虫が入っています。
これなら、蛹化のために木を下りてくる個体にも出会えるのでは? と期待して見回ると、
・・・いました。1匹の幼虫が、かなりの速度でハンノキの幹を下りてきます。

さなぎになるために、木を下りるミドリシジミの幼虫
「さなぎになるために、木を下りるミドリシジミの幼虫」

この日は、木から下りてくる3匹の幼虫に遭遇しました。羽化するのは6月です。
その時期に、またここを訪れたいと思います。

アシベニカギバの幼虫
「アシベニカギバの幼虫」

ゴマギの木にたくさんいた、アシベニカギバの幼虫。
特徴あるその姿は、まるでタツノオトシゴです。
庭木として、街なかでもよく見かけるサンゴジュも食樹となるはずですが、
まだサンゴジュで見つけたことはありません。

自宅に戻ってからは、再び延々とスタジオ撮影ですが、
目を休めるためには、ときどき大型の被写体を撮影するのが効果的です。

ヒメヤママユの幼虫
「ヒメヤママユの幼虫」

白バック撮影の合間に撮った、ヒメヤママユの終齢(5齢)幼虫。
8センチ程度はあるでしょうか。これだけ大きいと撮影も楽ちんです。
1齢幼虫の時に採集した個体ですが、終齢に至るまで、1ヶ月足らずという成長の早さ。
羽化するのは10月ですから、そんなに急いで成長しなくてもよいはずですが・・・。

ヒメヤママユの幼虫は、「麦畑」という愛称で呼ばれており、
背面の、きれいに刈り整えられたように同じ長さで並ぶ毛並みを「麦畑」に喩えています。
そのようすがよくわかるように、ストロボで照明しました。