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2016.03.13  高倍率接写
  『虫とツーショット』がほしいという人がいるので、割引価格で1冊売ってくれない?
というメールをいただいたので、郵便で送りました。
親しい人なので、あり合わせの封筒で送ったのですが、封筒のちょうど窓のところに
ぼくの顔が来てしまい、何ともまがまがしい雰囲気の郵便物になってしまいました。
郵便屋さんは、中身が倫理的に大丈夫なものかどうか、悩んだのではないでしょうか・・・。
あやしい郵便物
「あやしい郵便物」

健診結果の送付封筒の使いまわしというところに、中高年の悲哀がにじみます。

使いまわしの封筒
「使いまわしの封筒」

さて、友人の研究者から、「倍率の高い接写がしたい」と相談を受けました。
彼はニコンのカメラを使っているのですが、
ニコンには、キヤノンから出ているような拡大専用のマクロレンズがありません。
いま、「キヤノン」と書きましたが、この表記は誤りではないですよ。
正しいカタカナ表記は、「キャノン」ではなく「キヤノン」です。

近年、昆虫を解剖して交尾器を取り出し、その形状の差異を比較検証することで、
それまで1種と思われていた虫の中に、
実はそっくりな別種が含まれていることがわかった・・・という発見が相次いでいます。
外見は寸分たがわなくても、交尾器の形状が異なれば、
まず別種と判断して差しつかえない、ということですね。
最終的には、DNAなどを解析することになりますが、
別種発見の「初動捜査」としては、生殖器の形状比較は、きわめて有効な手段です。

専門家は交尾器を「ゲニタリア」(略してゲニ)と呼び、
解剖によりゲニを取り出すことを、俗に「ゲニを抜く」などと言います。
ゲニを抜く作業には、熟練の外科医のような手際が求められますが、
その友人の研究者は神業的な技術を持ち、在野にいながらめざましい発見を次々に
成し遂げていることから、ぼくは彼を「ゲニの極み」と呼んで奉っています(笑)。
小さい昆虫の内臓のごく一部である、極小のゲニをいかにして撮るか。
「倍率の高い接写がしたい」というのは、彼のこうした研究に必要となるからですね。

ぼくは、撮影倍率を稼ぐためのさまざまなアクセサリーを持っているので、
それらを組み合わせて、テスト撮影を行ってみました。
昆虫の写真を撮る人には、役に立つ情報かもしれないので、
倍率比較をここにアップしておきますね。

ニコンの一眼レフで高倍率を出してみる
「ニコンの一眼レフ(D7000使用)で高倍率を出してみる」

タムロンの90mmは、誰もが認める高性能のマクロレンズです。
52.5mmの厚さの中間リングを履かせることで、長辺13mm相当の範囲が写せます。
ニッコール45mm(F2.8P)は、俗に「パンケーキレンズ」と呼ばれる超薄型レンズで、
生産中止になってから、おそらく10年ほど経つと思いますが、
中古市場でごく普通に入手可能だと思います。
厚みのある中間リングを履かせても、しっかりした像を結ぶ高倍率耐性のあるレンズで、
いくつかを組み合わせて112mmにした中間リングを履かせてみました。
この状態で、長辺9mmの範囲が写ることがわかります。

ところが、1cmに満たない昆虫のゲニは、
1ミリ2ミリ、あるいは、それ以下の大きさです。
まだもう少し、倍率を上げてみたいところです。

(オリンパスTG-3の「顕微鏡モード」は、けっこういけるはずだったな・・・)
ふと、そんなことを思い出し、こちらもテスト撮影してみました。
TG-3というのは、見た目はごく平凡なコンパクトカメラで、
一番の売りとしては、防水性・耐衝撃性ですが、高倍率接写や深度合成など、
いくつかの驚くべき機能を備えた革新的なカメラです。

ズームの望遠側で「顕微鏡モード」を使ってみると、
これだけでも相当な倍率であることがわかります。

オリンパスTG-3を使って高倍率を出す
「オリンパスTG-3を使って高倍率を出す」

長辺8mmの世界が写っていますから、これだけで、すでにオリンパスの勝ちです。
さらに「超解像ズーム」(デジタルズームの一種ですが、カメラ内部で画素補完を
行っており、画質の劣化が抑えられています)を併用すると、
長辺4mmの世界が写ります。
この倍率までいけば、ゲニの撮影にも有効に機能しますね。
デジタルズームは、どうしても画質が劣化しますが、
研究目的であれば、全く問題ないレベルにあると言えるでしょう。

長辺4mmの世界が写るとはどういうことであるか。印刷の網点を撮ってみました。
『虫とツーショット』で、ぼくの顔を拡大するのもどうかと思うので、
テスト素材は、『散歩で見つける 虫の呼び名事典』の表紙です。

『散歩で見つける 虫の呼び名事典』の表紙
『散歩で見つける 虫の呼び名事典』の表紙」

右の中ほどにいる、オオスズメバチの顔の部分を拡大してみました。

TG-3の顕微鏡モードによる印刷の網点撮影
「TG-3の顕微鏡モードによる印刷の網点撮影」

左が広角側、中が望遠側、そして右が望遠側で「超解像ズーム」にしたものです。
ここまでの倍率が出せるなら、ゲニのような特殊なものだけでなく、
昆虫の卵や、花粉なども撮影の守備範囲に収めることができますね。
TG-3はすでに過去の機種となり、現在は後継機種のTG-4に置き換わっていますが、
虫を撮る人ならば、1台持っていても絶対に損のないカメラだと思います。
次に出るであろうTG-5(?)にバリアングル・モニターが搭載されれば、
他を寄せつけない、最強の「昆虫&アウトドア・カメラ」になるに違いありません。
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