先週の金曜日のこと。
プラタナスの巨木の下を歩いていると、樹皮がぱらぱらっと落ちてきました。

落ちてきた樹皮
「落ちてきた樹皮」

風もないのに、いったい何ごと? と見上げれば、4メートルほどの高さに鳥の姿が。
幹の垂直面に止まるその姿勢から、一瞬、こんな都心にコゲラ(キツツキ)? 
と驚いたのですが、すぐに、ああムクドリか・・・と気づきました。

いったい何をしているのだろう? と見ていると、
樹皮を次々に剥いでは、その下にいる何かを食べているようです。
捕食対象にくちばしを垂直につきたてる 「ついばむ」スタイルではなく、
樹皮を剥いだあとの幹に頬をこすりつけるようにして、くちばしの側面を使い、
何かをこそげるようにして食べています。

このプラタナスには、暖かくなれば多数の「プラタナスグンバイ」が発生するのを
毎年のように見ており、今の時期は、樹皮下に集団を作って越冬しているはずです。

プラタナスグンバイ(白バック)
「プラタナスグンバイ」

プラタナスグンバイというのは、
日本では2001年に初めて見つかった北米原産の外来種で、セミに近いなかまですが、
ムクドリはおそらく、そのプラタナスグンバイの越冬集団を食べているのでは
ないかと思います。
食べているものが、ぼくの位置からはまったく見えないというのも判断の根拠で、
体長3ミリ強ほどの小さい虫ですから、この距離からは絶対に見えないはずです。
頬をこすりつけるようにして、くちばしの側面を使っていることも、
いかにも「微小な昆虫の集団をまとめて食べている」ように見えます。

で、その写真はどこ? と突っ込まれる展開ですが、
実はちょうどカメラを体から離したところで、うかつにもぼくは「丸腰」でした。
ダッシュでカメラのところまで引き返し、5分もかからずに現場に戻ったのですが、
すでにムクドリの姿はなし。 地上に散らばる樹皮だけの写真になってしまいました。
やはり、カメラは肌身離さず持っていないといけませんねえ・・・。
樹皮をひろい上げて、プラタナスグンバイの姿をさがしましたが、見つからず。
といっても、ぼくの過去の観察事例では、樹皮下で越冬するプラタナスグンバイは、
たいてい樹皮側ではなく、幹側に集団を作っているので、
こんなことも十分ありそうに思えます。

この日の夜は、業界の新年会。
立食パーティーの開始を待つ間、昆虫写真家で集まって談笑しているところを、
科学絵本の編集者のIさんに撮っていただきました。

新年会にて
「新年会にて」

右から、仙台の中瀬潤さん、宮崎の新開孝さん、ぼく、沖縄の湊和雄さん
こんな大御所に囲まれて、4コマ漫画のオチみたいなぼくは、
いちばん隅っこに座らないといけませんねえ。 湊さんすみません・・・。