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 「マレーシア紀行」の第2回です。

今回、旅の前半は、テレビクルーの車で移動できたので、そこは非常に助かりましたが、
バスは1日に2、3本しかないため、レンタカーを使わないのであれば、
現地の移動は、基本的にタクシーに頼るしかありません。
現地経験の豊富な鈴木さんが、レンタカーはやめた方がよいと助言してくれたので、
旅の後半、テレビクルーと別れたあとは、タクシーで移動しました。
チャーターする場合、1時間あたり25リンギット(当時のレートで700円相当)が
標準だそうで、日中のまる1日(8時間程度)をチャーターしたことがありましたが、
この時は350リンギット(同9800円相当)を請求され、
あとで別の運転手に、「それはボッタクリだったね」、と言われました。
「1時間25リンギット」の単価で計算すれば、確かに350リンギットは高く、
8時間なら200リンギット(同5600円相当)あたりが適正価格でしょう。

タパの町のタクシー会社では、運転手はどうやら「My車両」で営業しているようで、
車両を見れば、運転手の人柄がそこに表れているように感じます。
車がきれいに管理されており、英語が話せる運転手ならば、ある程度信頼してよさそうです。
ボッタクリ・タクシーは、車の底に穴が開いて地面が見えるようなボロ車で営業しており、
英語がまったく話せない運転手でした。
移動中に、運転手との会話の中から情報収集も期待できることを考えると、
英語ができる運転手にお願いする方が、断然おトクです。

タパの町から、19マイルやキャメロンハイランドなどへ続く一本道は、
雨が降れば、いとも簡単に崖くずれを起こし、何度か移動の足を止められました。
「雨が降ったら崖くずれ」
「雨が降ったら崖くずれ」

11日間の旅のうちに、少なくとも3回はこうした崖くずれがあり、大迷惑でしたが、
当局としては、抜本的な対策工事を施す気はさらさらないのでしょう。
修復工事で生活している人への、仕事斡旋の意図がおそらくあるのだと思います。
崖くずれと、その修復工事は、現地の人々にはすっかり日常の風景のようでした。

「シュモクバエの仲間」
「シュモクバエの仲間」

19マイルの川沿いで、ぜひ見たい、と思っていたシュモクバエを発見しました。
左右の複眼がこんなにも離れており、複眼を含む頭部の形状が金づちに見えることから、
英語では「ハンマーヘッド・フライ」(金づち頭のハエ)と呼ばれています。
眼と眼の間隔が、大きいものや小さいものがいましたが、それが個体差なのか、
性差なのか、あるいは別の種類なのかは、ぼくにはわかりませんでした。
体長1cmにも満たないハエですが、拡大してみると、この造形の妙には惚れ惚れします。

「アギトアリ、アオスソビキアゲハ、コノハムシ、トガリメバッタ」
「アギトアリsp. アオスソビキアゲハ、トガリメバッタ、コノハムシsp.1齢幼虫」

さて、少しでも多くの昆虫をご紹介しましょう。左上から時計回りで、
アギトアリの仲間、アオスソビキアゲハ、トガリメバッタ、コノハムシの仲間の1齢幼虫。
「アギト」とは「顎(あご)」を意味し、このように180度も開く大あごを持っています。
アオスソビキアゲハも、今回の旅で、ぜひ見たいと思っていた種でした。
日本のどのチョウにも似ていない、奇抜なデザインには非常に心惹かれます。
コノハムシの仲間の幼虫は、コノハムシかオオコノハムシかわかりませんでしたが、
真っ赤な色をしていました。これではカムフラージュ効果がないように見えますが、
日本にも、クスノキのように新芽だけが赤くなる植物がありますから、
1齢幼虫のうちは、本来そういった場所にいるべき虫なのかもしれません。
トガリメバッタは、とがった眼より、不思議な形状をした尻の方が印象的です。

「シロアリモドキの仲間とその巣」
「シロアリモドキの仲間(15mm程度)とその巣」

川沿いの木の肌に、うっすらと白いものが見えます。
一見、カビのようですが、これは、シロアリモドキが糸で作った隠れ家で、
本種が紡ぐ絹糸は、「生物界で最も細い糸」と言われています。
分類上、紡脚目(ぼうきゃくもく)に属し、「紡」ぐ「脚」を持つグループという意味で、
本種が糸を出す器官は、口でも尻でもなく、驚いたことに「脚」なのです。
特殊な形状を持つ前脚から絹糸を出し、樹皮などに巣を作って、その中に隠れています。
日本でも、九州や沖縄には、同じ仲間が分布しています。

「タイショウオサゾウムシ」
「タイショウオサゾウムシ」

ゾウムシと言えば、日本では多くの種が、茶色で小さくて特徴がなく、
地味な昆虫の代表のように扱われていますが、
マレーシアには、こんなにも大きく、華やかなゾウムシがいます。
鈴木さんに、「そいつの爪は危険だよ」、と教えてもらいましたが、
無造作に手を出していたら、大ケガをしていたかもしれません。
厚い布越しに、指に止まらせてみましたが、本種のしがみつく力はすさまじく強力です。
これだけの力で、長い爪を突き立てられたら、確かに無事では済まないでしょう。
体表にはベルベットのような質感があって、
光沢を持つタイプの甲虫とは、また違った美しさを感じました。

オラン・アスリが売りに来る甲虫には、ゾウムシが多く、
人気昆虫であるはずのカブトムシ、クワガタムシは、最後まで1匹も見られませんでした。
鈴木さんによれば、ここでは、カブトムシはもっと標高を上げないと見られない、
とのことです。カブト・クワガタ人気に頼らない昆虫商売も珍しいと思いますが、
ここへ来る日本人には、それだけマニアックな虫屋さんが多いということなのでしょう。

第3回(最終回)に続きます。
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