10月25日に八王子で行なわれたヒナカマキリ観察会に参加してきました。
本種は、常緑広葉樹林の林床などで見つかる国内最小のカマキリで、
体長は2cmほどしかありません。南方系で、海沿いの土地に多いイメージがあり、
高尾山のふもとみたいな場所にいるというのは、少々驚きでした。

虫好きが集まる観察会ということで、捜索の眼が多いのは、心強い限りです。
ヒナカマキリ観察会
「ヒナカマキリ観察会」

ほどなく、あちこちから 「いた~!」という声が聞こえ、
自分も見つけなければ・・・と気持ちが焦ります。
落ち葉を踏みしめる長靴の先に、ピョンピョンと飛び跳ねる影。
いました、いました。 今にも卵を産みそうな、プリプリのメスです。

参加者には、産卵の期待が持てるメスの方が人気があるようですが、ぼくはすでに
メスの写真はたっぷり撮っていたので、今日はオスが欲しいと思っていました。
参加者との間で、すぐに交換トレードが成立します。
ヒナカマキリは、一般的にオスの方が個体数が少ないと言われており、
実際、オスを見つける方が苦労するものですが、
ここのポイントは、かなりの率でオスが見つかります。

雌雄を同じケースに入れておくと、オオカマキリなどは、
メスがオスを食べてしまうことが多いのですが、本種は平和主義者?のようで、
雌雄2組、計4匹を同じケースに入れていた参加者のもとで、
なんと、2組のカップルが成立してしまいました(笑)。
手の上に乗せてもらって記念撮影。その小ささがよくわかります。
帰ってからは、スタジオで白バックの全身像と顔、痕跡的な翅のアップなどを撮りました。
ヒナカマキリ。♂(左上)、♂の顔(右上)、交尾(左下)、痕跡的な翅(右下)
「ヒナカマキリ。♂(左上)、♂の顔(右上)、交尾(左下)、痕跡的な翅(右下)」

観察会が行われた社寺林は、きわめて多様な樹種に恵まれており、
面積の割に、植生が豊かで昆虫層も厚そうな、なかなかよい環境です。
「青々として、まるで、夏みたいな葉っぱだね・・・」
と参加者と言葉を交わしたコナラで、枯葉のような蛾を発見。
秋に出現するシャクガ、ヒメノコメエダシャクのメスです。
ヒメノコメエダシャク(♀)
「ヒメノコメエダシャク(♀)」

季節の進行に呼応して、この時期相応に傷んだ落葉樹の葉にまぎれていれば、
この枯葉擬態も、ある程度の効果があったのかもしれません。
変なコナラに止まってしまったために、かえって目立つ結果となってしまいました。

観察会もぶじ終了。駅までの道すがら、ミノウスバの飛ぶ姿がちらほらと目につきます。
「文化の日の蛾」などと呼ばれ、その通り、11月3日頃に目撃例の多い蛾です。
ミノウスバ(♂)白バック
「ミノウスバ(♂)白バック」

 ・もともと関東平野などの発生のピークがその時期であること、
 ・11月3日が、「晴れの特異日」であること。
 ・休日である文化の日に、多くの人がレジャーなどで外出すること。
おそらくは、そのような要因が重なって、文化の日の目撃例が多いのではないかと
ぼくは分析しています。

昆虫の図案で、日めくりカレンダーを作るなら、
11月3日は彼らの指定席、ということになりますね。