昨晩、タッパーの中から、ニャーニャーと呼ぶ声が聞こえたような気がして、
起き上がって様子を見てみました。
ニャー_8579
「ニャー」

タッパーの中には、この子たちがいます。ネコ顔のイモムシ、ヒメジャノメの幼虫。
「愛らしさ」ということでは粒ぞろいのタテハチョウ科のイモムシの中でも、
飛びぬけてラブリィな存在と言えるのではないでしょうか。

まあ、実際はネコのように鳴いたりはしないので、
「鳴き声がしたかも?」 というのは、イモムシLOVEの、ぼくの後づけの妄想ですが、
この子は、不慮のできごとに遭遇し、確かに飼い主のヘルプを必要としていました。
脱皮に少々手こずったらしく、古い頭の殻が、糸ですっかり絡んでしまっており、
この古い頭殻を、ずるずると引きずったまま歩いていたのです。

ヘルメットが、ちょうど耳の脇にぶら下がっているような格好ですから、
かなり鬱陶しいのでしょう。
いやがって、何とか外せないかと、新しい頭をこすりつけるようにして押すのですが、
その光景は、まるでネコの親子が頬をすりすりしているようにしか見えず、
ネコ好きなぼくにとっては、これはちょっとたまりません(笑)。
「助けてあげるけど、ちょっとだけそのままね! 写真とるから!」と、
このネコ顔のイモムシの災難に乗じて、いろいろな角度から激写しました。
頬をすりすり_8580
「頬をすりすり」

ピンセットでつまんでそっと引っぱると、古い頭殻は意外なほどあっさりと取れ、
「もっと早く取ってよねっ」 といった顔で、イモムシはササの葉っぱに戻っていきました。

いま、ササ類を食べるイモムシのページを作るために、
他にヒカゲチョウの幼虫なども、同じように飼育しています。
切ったササの葉は、まったく日持ちがしないので、幼虫をストレスにさらさないように
するには、ほぼ毎日のように、新しい葉と取り替えてやらなければなりません。
ササは、株ごと掘り起こしてこようにも、根は地下で複雑に絡み合っていますから、
非常に手のかかる、面倒な作業になります。
園芸ショップに問い合わせてみると、オオクマザサならあるというので、
鉢植えを買ってくることにしました。

こうした場面で、気をつけなければいけないのが、残留農薬の問題です。
園芸ショップの鉢植えというのは、虫の喰い痕があると商品価値が下がりますから、
虫がつかないように管理されています。
「虫のために買っていく」なんていうお客は、まずいないと言ってよいでしょう。
農薬や殺虫剤の使用履歴について、ちゃんと答えられるお店で買うことが大事です。

今回は、「えっ! 虫にやるの? 殺虫剤まいたばっかりだよ!」
と即答でした。
「しかもね、糊、使っているのよ、糊。」
「?」
「あのね、葉っぱに糊をつけて、その糊に殺虫剤を噴きつけるわけ。
簡単には洗い流せないわよ~」
・・・ということで、毎日毎晩、じょうろで水をまき続けて、2週間が経ちました。
その間、大型台風も立て続けに通過したので、マンションのベランダとはいえ、
かなり雨も吹き込んだはずです。そろそろ、利用できるかもしれません。

ネコ顔のイモムシが、明日の朝、ぐったりしていたら嫌だな・・・と心配しつつ、
とりあえず1匹を隔離して、鉢植えから取ったオオクマザサの葉っぱ1枚とともに
別のタッパーに入れてみました。
「ニャー(これ、まだダメだよ)」などと、鳴いて知らせてくれればよいのですが、
どうしても1匹に、「人柱」になってもらわなくてはなりません。

夜中に、「ニャー」と呼ばれた気がして、目が覚めてしまったのは、
やはり、気にかけていたからでしょう。
思いがけず、脱皮失敗の子を、いち早く助けてやることができてラッキーでした。
そして、おそるおそるフタをあけてみた隔離タッパーの中でも、
ネコ顔のイモムシが葉を食べ進めており、ここまで食べて平気な顔をしている以上、
殺虫剤問題は、ひとまずこれでクリアしたと言ってよさそうです。

一鉢340円のオオクマザサでは、もしかしたら、
「わたしって、そんなに安い女なの?」 と叱られてしまうかもしれませんが、
そっちの「ニャー」は聞こえないフリをして、この鉢で育ってもらうことにしましょう。
とりあえず、ぼくも今晩はぐっすり眠れそうです・・・。