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 前回の続きです。
この森で見られる「謎の幼虫」は、オナガミズアオではないか、と書きました。
オオミズアオ型の幼虫で、しかしオオミズアオではなく、ハンノキ依存が強いことから、
オナガミズアオ以外に、有力な候補を見出せません。
オオミズアオ(上)とオナガミズアオ?(下)
「オオミズアオ(上)とオナガミズアオ?(下)」

体の各部の特徴を見ていきましょう。
まず、謎の幼虫がオオミズアオでないことは、頭部の「色」と「大きさ」でわかります。
オオミズアオならば、頭部は赤褐色で、体の大きさに見合う頭のサイズを持つはずです。
しかし、この幼虫の頭は緑色で、体の大きさとの比率において頭部だけが不釣合いに小さく、
これはオナガミズアオ幼虫の特徴に完全に一致します。
頭部の比較。オオミズアオ(左)とオナガミズアオ?(右)
「頭部の比較。オオミズアオ(左)とオナガミズアオ?(右)」

では、この幼虫がオナガミズアオであるとしたならば、本種のもう一つの特徴として、
背面にある毛束のつけ根が、毛束を取り巻くように、リング状に黒くなっているはずです。
典型的なオナガミズアオ幼虫の全身写真と、リング紋のアップをご覧いただきましょう。
典型的なオナガミズアオ幼虫の全身像と、毛束つけ根の黒いリング
「典型的なオナガミズアオ幼虫の全身像と、毛束つけ根の黒いリング」

「全身、斑点だらけ」といった、派手な印象ですね。
これより、ずっとおとなしいイメージにはなるものの、
オオミズアオの毛束にも一応、淡い赤褐色のリング紋が認められます。
ところが、今回の採集個体をはじめ、この森のハンノキで見つかる幼虫には、
リング紋自体が一切ないのです。
下の写真は毛束の部分を拡大したものですが、左がオオミズアオ、真ん中はオナガミズアオ、
そして右が、この森のハンノキで得られる幼虫です。
毛束つけ根のリング紋の比較
「毛束つけ根のリング紋の比較」

オオミズアオでさえ、地味なリングをはめているというのに、
このあっさりした、無紋の毛束を持つ幼虫は、いったい何者なのでしょうか。
幼虫図鑑等で、オナガミズアオの解説を見てみると、「オオミズアオとの識別点」として、
毛束つけ根の黒いリング紋の存在が挙げられています。
識別ポイントとして機能するということは、この黒いリング紋は、
「常に安定してオナガミズアオ幼虫に出現するもの」、と捉えてよいはずです。
こんなにツルンとした、無紋のオナガミズアオ幼虫が果たしているのでしょうか・・・?

今度こそ、飼育下で羽化させて確かめる覚悟を決めたものの、なにしろ羽化は翌春です。
「オナガミズアオに間違いありませんでした」、とご報告できるのは、
まだまだ遠い先の話になりそうです。
そして、予想通りにオナガミズアオであった場合、「毛束つけ根の黒いリング紋」は、
もはや幼虫同士の種間識別点としては機能しない、ということになるのかもしれません。
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