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2017.01.01  謹賀新年
 あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、新年ということで、ぼくにしては珍しく、たまには写真機材について思うことを
語りたいと思います。
(長文で、専門的な話もしますので、機材に興味のない方は今回はスルーしてください。)

昆虫カメラマンのイメージとは、
「昆虫」と「カメラ」に並々ならぬ興味を抱く人、というものではないかと思いますが、
もう長いこと、ぼくはカメラへの興味を失ったままです。
学生時代に必死にアルバイトをしてカメラを買ったことが懐かしく、
どんなカメラでも買えるようになってみたら、欲しいカメラがひとつもなくなっていた、
というのは皮肉なものだと思います。

どんなカメラでも買える、と言っても、別にぼくが金持ちということではないですよ(笑)。
個人タクシーの運転手さんが、クラウンを1台購入しなければならないことに比べれば、
高くても50万円程度の一眼レフは、仕事の道具としては、少しも覚悟のいらない金額ですね。
ぼくは6万円程度の一眼レフで、2010年から6年間も仕事をしてきましたから、
このあたりで高いカメラを買っても、少しも贅沢とは思いません。
市場に買いたいカメラが出てこないので、ずっと同じカメラを使い続けているだけです。

別に機材への要求が厳しいというわけではなく、現在の工業技術で、実売価格15万円ほどで
作れそうなカメラで十分なのですが、新機種が出てくるたびに、違うぞ、いやこれも違うぞ、
おい、そこじゃないだろう・・・というトンチンカンな開発にうんざりするばかりです。

たとえば、どんどん進化すべき内蔵ストロボが、むしろ退化していること。
ニコンが昨年、久々にAPS-Cフォーマットの高級機(D500)を出してきたので、
ぼくにしては珍しく心ときめいたのですが、スペック表を見て、わずか30秒で却下。
2016年発売の最新機種に、なぜ内蔵ストロボが搭載されていないのでしょう?
初のストロボ内蔵カメラ、「ピッカリコニカ」が発売されたのは1970年代でしたから、
ストロボが内蔵されていないカメラというのは、ぼくに言わせれば1960年代の遺物に過ぎず、
白黒テレビや、オート三輪(若い人は知らないだろうなあ・・・)を見ているかのようです。
こんなものを、新機種です、といって出してくるメーカーの気概がわかりません。
ぼくの撮る昆虫写真の90%以上は、何らかの形で内蔵ストロボを使用しています。

ニコンとキヤノンが、プロ用の高級機に内蔵ストロボをつけない傾向があることから、
内蔵ストロボなんて、初心者向けのもの、と頭から決めつける人もいますが、
きちんとした技術を持っていれば、内蔵ストロボともう1灯で、この程度の写真は撮れます。
内蔵ストロボを使った写真作例
「内蔵ストロボを使った写真作例」

当ブログ既出の写真ですが、真上からモノブロックのストロボを1灯、
そして手前からは内蔵ストロボ、という2灯照明で撮影しています。
上からのストロボで立体感を描写し、手前からのストロボで色を出しているわけですね。
内蔵ストロボは、外付けストロボよりも、はるかに低い位置から光を撃てるので、
昆虫の体の下に回り込むような低い光線を放つことができます。
上からのストロボによって昆虫の体の下にできる影を薄めるという能力においては、
内蔵ストロボに勝るストロボはありません。

常用感度が3200とか6400とかいう時代に、内蔵ストロボを軽視するのもおかしな話で、
GN12の小さな光量のストロボが、ISO 6400においてはGN96相当にもなるわけですね。
昆虫のような至近距離限定の使用に留まらない、もう十分すぎる光量です。
こんなに便利で必要なものを省略する意図がわからない・・・。

撮像素子の高画素化についても、ここへ来てようやく一段落した感がありますが、
一昨年ぐらいまでは、新機種が出るたびに、どんどん画素数が増えていき、
結果、画質がメチャメチャになるという事態を招きました。
詳しい原理はぼくにはわかりませんが、レンズの回折という現象が、
高画素カメラでは非常に目立つのです。
APS-Cという撮像素子サイズのカメラにおいては、2400万画素以上になると
全く使いものにならないことがわかりました(ぼくのメイン機種は、1600万画素機です)。

深いピントが欲しいと思えば、レンズを絞って使うことになりますが、
絞りすぎると、逆にどこにもピントが合っていないような、モヤッとした写真になります。
これが回折という現象ですが、1600万画素機ではF18まで絞っても気にならなかった回折が、
2400万画素機では、F11までが限界(ぼくの基準です)であることが実写してわかりました。
ピントの深い昆虫写真は、決して撮れないF値です。

回折というのは、基本的にはレンズ側の問題であって、ボディ側の高画素化が
物理的にどのように画質劣化に関与しているのか、ぼくには説明できませんが、
そのころ発売されたカメラ雑誌の新機種レポートには、確かに
APS-Cサイズの2400万画素機(実際には機種名が書かれていました)は、
画素ピッチの影響で回折が目立つ。 F5.6からもう影響が出始める、と書かれていました。

実写作例のキャプションでは、「F11からにじんだ感じになり、F16ではもはや使えない」、
といった記述が見られましたが、ぼくの白バック写真の多くはF18で撮られていますから、
「2400万画素機ではF11までしか絞れず、そうであれば、この機種は使いものにならない」、
という印象に非常によく合致します。

別のカメラ雑誌には、「××(カメラの機種名)」では絞りすぎに注意し、
絞ってもF8までで留めておきましょう・・・などと、事もなげに書かれていましたが、
ぼくの写真収入は、「F18に完全に依存」しています。
F8以下で撮った写真など、年間5カットも売れないんじゃないだろうか・・・。

そもそも、普通のレンズにはF2.8あたりからF32程度までの絞り値が用意されているわけで、
F2.8~F8までしか使えないカメラボディというのは、
レンズ側に用意されている絞りの選択肢の半分以上が使えないわけですから、本末転倒です。
昆虫撮影に限らず、これでは高画素機など使えないと判断するカメラマンは、
ほかのジャンルにもいるのではないでしょうか。
カメラの高画素化はもう後戻りしないだろうし、回折が物理現象なら、対策もできない。
そう思って暗澹たる思いでいましたが、
その後、先に紹介したD500という昨年発売のカメラが、画素数を減らして出てきました。

大英断だと思って、それだけに期待も大きかったのですが、
ストロボに関しては1960年代なみ、というのは、何ともちぐはぐな開発です。
5~6年前には平均的なスペックだった、
「APS-Cサイズのフォーマットで、1/250秒で内蔵ストロボが使える1600万画素機」を、
イマドキの常用感度6400仕様で作ってくれればそれで十分で、
たったそれだけのささやかな願いをかなえるカメラがひとつもないというのは、
たいへん奇妙なことに思います。

ぼくの使用機材一式は、過去記事に詳細が出ていますので、
興味のある方は、以下をご覧ください。
内蔵ストロボの使い方は、「2014.09.30 日帰りセット(機材紹介/その3)」に詳しいです。
しかし、2014年9月から何ひとつ機材が変わっていないというのも、何だかなあ・・・。

2014.09.24 日帰りセット(機材紹介/その1)
http://moriuenobuo.blog.fc2.com/blog-entry-16.html

2014.09.27 日帰りセット(機材紹介/その2)
http://moriuenobuo.blog.fc2.com/blog-entry-17.html

2014.09.30 日帰りセット(機材紹介/その3)
http://moriuenobuo.blog.fc2.com/blog-entry-18.html

現在、新しい本の準備を進めています。
詳細は、いずれまた当ブログにてご案内をさせていただきますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
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