毎年のことながら、慌ただしい年の瀬です。
体の具合もあちこち良くないので、この1週間で5つもの診療科を受診しましたが、
「低値安定」とでもいうか、悪いなりに落ちついており、重篤なものは何もなし。
これで来年1年間もがんばれそうです。

クリスマスイブは、銀座や有楽町のあたりを通りかかりましたが、
イルミネーションの飾りつけとイチョウの黄葉が同時に見られました。
やはり、落葉時期が年々遅くなっているのでしょう。
2回前のブログ記事 「クモの巣の見本市」で紹介したクモは、
クリスマスイブにも円網を張っていましたが、この日を最後に姿を消しました。

12月24日に見たもの
「12月24日に見たもの」

26日は、虫仲間とフユシャク目当ての観察会。
2ケタの種に会えるのではないか・・・と期待して臨みましたが、
夏の間に大がかりな薬剤散布でもあったのでしょうか。
いつもたくさんのフユシャクが見られる緑地は、壊滅的な状態で、
早々にフユシャクを諦め、他の昆虫にねらいを変更しなければならないほどでした。

フユシャク観察会
「フユシャク観察会」

冬の昆虫観察は、虫の大きさに対するアンテナの感度を変えねばなりません。
5ミリあったら大きい方、と思って探さないと、そう簡単には見つかりません。

12月26日に見たもの
「12月26日に見たもの」

左上から、タマバチの仲間。
その右は、なぜか隠れ場所から出て、ケヤキの樹皮を歩いていたラクダムシの幼虫。
以下、ナガヒョウホンムシ、ウラギンシジミ、ヤマノモンキリガ、
樹皮下にいたムツボシテントウ。
タマバチは3ミリほどで、ナガヒョウホンムシは4ミリ程度。
ムツボシテントウは、2ミリ強ぐらいの大きさです。
フユシャクも、ウスバフユシャクやチャバネフユエダシャクのオスが見られましたが、
メスは1匹も見つからず。 これだけのメンバーを揃えて見つからないというのは、
本当に密度がうすいのだと思います。

12月28日に見たもの
「12月28日に見たもの」

最後の病院通いを終えて、帰りがけに立ち寄ったいつものフィールドで。
クヌギの樹皮には、あちこちにクヌギカメムシの卵塊が残されていました。

当ブログにお越しいただいたみなさま、
今年も気まぐれな更新におつき合いいただき、ありがとうございました。
お健やかに、よいお年をお迎えください。
 先週の金曜日(11日)、関東では、猛烈な強風が吹き荒れました。
台風が通りすぎた直後のような生あたたかい風が流れ込み、
観測史上、12月の最高気温を更新したところも多かったようです。

黄色いじゅうたん(東京都豊島区にて)
「黄色いじゅうたん(東京都豊島区にて)」

温暖化の影響なのか、年々、落葉が遅くなっているように感じるイチョウも、
強風でいっせいに葉を落としました。

紅葉のアクセント
「紅葉のアクセント」

一面に広がる黄色いじゅうたんの中に、こんな紅葉のアクセントも。

季節はずれの陽気に、越冬場所から誘い出されてきた虫でもいないかと思って
探してみましたが、都心にいたせいか、何も収穫はありませんでした。

夜には、オリンパス・プロユーザー忘年会に出席。
受付には長蛇の列ができており、いったい何百人が訪れたのでしょうか。

オリンパス忘年会にて(黒柳昌樹さん撮影)
「オリンパス忘年会にて(黒柳昌樹さん撮影)」

海野和男さん尾園 暁さんと一緒に。
自撮りしようか・・・と一瞬思いましたが、3人一緒はさすがに無理で、
黒柳昌樹さんに撮っていただきました。

現在、オリンパスのカメラに続々と搭載されつつある「被写界深度合成」機能は、
革命的な技術と言ってよく、最も恩恵を受けるのが昆虫写真家かもしれません。
先に使い始めているみなさんからの情報は大変ありがたいもので、
ぼくも、あまり遅れを取らないようにしなければならないと思いました。
白バックの昆虫撮影では特に、ぼくがやっているような従来の手法による作品は、
2~3年以内に市場価値を失ってしまうかもしれません。
昼と夜とで、異質の強風を肌に感じた1日でした。
 最寄の駅から自宅までの間に、さまざまなクモの巣が見られる場所があります。
さながら「クモの巣の見本市」といった風情で、いつも通りすがりに
楽しませてもらっています。

クモの巣の見本市
「クモの巣の見本市」

あるマンションの塀がその場所ですが、
コンクリートに埋め込まれた電球が道に沿って並んでおり、
その下は雨に当たることもなく、光に集まってくる虫を捕らえるには
絶好の造巣場所と言えるでしょう。

クモの円網
「クモの円網」

まずは、オーソドックスな円網。

クモの不規則網(?)
「クモの不規則網(?)」

こちらは、「不規則網」と呼ばれるスタイルでしょうか。
獲物が網にかかっても、見境なくダッシュすると、クモ自身が絡んでしまいそうです。

円網と脱皮殻
「円網と脱皮殻」

主のいない円網のかたわらには、ぬけがらだけが残っていました。

夜になれば、もうかなり気温が下がる季節ですが、
この電灯は、夕方になるとタイマーで点灯する設定になっているらしく、
日が暮れるとかならず暖房を入れてもらえるようなものですから、
クモたちにとっては快適な住処でしょう。
もっとも、灯りに飛んでくる虫自体が激減する季節ですから、
クモ自身が暖を取れて巣を張ることができても、
実入りのない「開店休業」を余儀なくされるということはありそうです。

ぼくがいつも不思議に思うのは、こうした「待ち伏せ型」の捕食者たちは、
どのようにして、「待つ価値のある場所」を見出しているのか、ということ。
灯りの下や、樹液の出ている樹皮上などは、
捕食者にとって、「獲物」が集まってくる格好の狩り場となりますが、
でたらめに歩き回っているうちに、たまたま効率のよい場所を探しあてたというには、
待っているハンターの数が、あまりに多すぎるような気がします。

灯りの下で獲物を待つ、スジイリコカマキリ(?)
「灯りの下で獲物を待つ、スジイリコカマキリ(?)」

灯りの下で待ち伏せをする、このカマキリのように、
狩る側も、狩られる側も昆虫、というケースでは、
自分も灯りに惹かれてやってきて、その場所が酒池肉林の楽園であれば、
そこに留まるのが自然のなりゆき、というケースもあるでしょうが、
樹液場のアマガエルや、今回のクモなどは、
果たしてどのような経緯で効率のよい狩り場を探し当てたのか、
ぜひ聞いてみたいところです。