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 少し間が空いてしまいましたが、ボルネオ紀行、番外編です。

使用カメラについてのご質問があったので、まずはカメラのお話から。
今回の旅には、一眼レフを2台、コンパクトデジカメ3台を持参しました。
ぼくは昆虫カメラマンの中で、コンパクトデジカメの使用頻度が高い方だと思います。
前回までの記事でアップした写真の比率は、
コンパクトデジカメによるものが19点、一眼レフは18点です。

割と評判のよかった「ボルネオ紀行-その2」の「機内からの夕景」や、
「その5」のラフレシアの写真なども、コンパクトデジカメによる撮影です。
「カシオEX-ZR1000」という機種ですが、かなり前に生産中止になっており、
後継機種の最新のものは、カタログスペックを見る限り、
昆虫カメラマンのサブカメラとしては、おそらく使い物にならないとぼくは判断します。
昆虫はマイナーな被写体なので、カメラが「改良」されることで、
かえって使いにくくなるというケースは珍しいものではありません。
ニコンの一眼レフ(DXフォーマット)も、D7000を最後に、
以後は昆虫の撮影において、実使用に耐える機種が出ていません。
欲しいと思えるカメラが、市場からほとんど姿を消してしまいました。

ボルネオ島のホテルの電源コンセント
「ボルネオ島のホテルの電源コンセント」

さて、マレーシア旅行のガイドブックなどを見ると、
マレーシアの電源コンセントには、3種類の規格があると書かれています。
変換プラグを持参するにあたり、どのように準備をすればよいか迷うところですね。
今回、コタキナバルで泊まったホテルの部屋の電源コンセントは、
壁の2ヶ所に設置されているコンセントが、それぞれ別の規格でした。

左のコンセントは、「全世界対応プラグ」が、何の工夫もなく使えましたが、
右のコンセントは、「全世界対応プラグ」がそのままでは使えず、
ルービックキューブのように組み替えて対応しました。
3つの規格のうち、「BFタイプ」と呼ばれることの多い形状に統一されつつ
あるのだと思いますが、「全世界対応プラグ」は、一つ持っていると安心ですね。

ボルネオ島のさまざまな商品
「ボルネオ島の、さまざまな商品」

ボルネオ島で見た、さまざまな商品です。
まず左上。当ブログの以前の記事「マレーシアの虫たち」にも書きましたが、
マレー半島だけでなく、ボルネオ島でも、日本の「ミロ」は大人気のようです。
空港の自販機の紙コップのドリンクにも、「ミロ」がありました。
左下の写真は、スーパーマーケットのミネラルウォーター陳列棚。
ひと棚のすべてがミネラルウォーターで占められています。
生水を飲めない国では、やはりミネラルウォーターの種類も増えるのでしょう。
右上は、商品パッケージに記されていた邦訳。
もう少し、がんばりましょう(笑)。
右下は、「ちょうちん」のようなものですが、これは何に使うものでしょうか?
昆虫の図案なので、12個入りを買ってきて、周りの虫好きに配りましたが、
これが何であるか、わかる人はいませんでした。
「節日快楽」と漢字で書かれており、この時期に店頭に並んでいるということは、
中国の国慶節で使うものかもしれません。

ボルネオ島の100円ショップ?と、そこで買ってきたミニ水槽
「ボルネオ島の100円ショップ?と、そこで買ってきたミニ水槽」

こちらは、日本の100円ショップのような商店の棚ですが、
価格は統一されていません。単に「安い」ということで、集客しているようですが、
100円ショップのような、割り切りのよさはありませんね。
日本でもよく見かける、プラスチック製のミニ水槽(飼育ケース)があるな・・・
と思って手に取りましたが、驚いたのは、中にこんな遊びが施されていたこと(笑)。
もう、脱力するほどムダな装飾で、これは話のタネに、と買ってきてしまいました。
お値段は175円相当で、この装飾がなかったとしても、
おそらく、日本とどっこいどっこいの価格ではないでしょうか。
意外に高いなと思いました。

日本の日常を離れて、自然と文化の違いを、いずれもたっぷり味わえた7日間でしたが、
やはり、英語ができないとダメだなあ・・・ということも旅の中で痛感しました。
中高生のみなさん、英語だけは、今のうちにしっかり勉強しておきましょう。
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 ボルネオ紀行も、今回が最終回となりました
(次回、番外編を1本アップする予定ですが)。

今回の旅は、コタキナバル市内で合計3泊もしたのは失敗だったと思っています。
ここを2泊に留め、キナバル自然公園の方を3泊にすべきでした。
帰国前日はどうしても、安全をみて市内に戻っていたいという心理が働くのですが、
車で2時間程度の距離ならば、帰国当日までキナバルにいても、
朝のうちに山をあとにすれば、午後の飛行機にはじゅうぶん間に合うでしょう。

今なお、そうして後悔しているのは、キナバル自然公園の最終日が雨となってしまい、
この日に予定していた場所を、ほとんど回れなかったこと。
今回、キナバルで過ごした2泊3日のうち、まん中の1日は、
4人の虫仲間が二手に分かれ、ぼくとIさんは、キナバル自然公園を出て、
車で40分ほどの「ポーリン温泉」に向かいました。
別に温泉に浸かりたかったわけではなく、ここに行けばビワハゴロモとラフレシアが
見られる可能性がある、ということで、もし、キナバルの最終日が雨になれば、
こちらは不完全燃焼に終るかもしれないことを承知の上で、いわば賭けに出たわけです。

ポーリン温泉
「ポーリン温泉」

結局、キナバル最終日が雨になったことで、その賭けには敗れた格好ですが、
キナバルに残った2人に聞くところによれば、この日も相当激しい雨が降ったらしく、
そうであれば天候に恵まれた分、ポーリン温泉行きは正解であったのかもしれません。
「キナバルでもう1泊していれば・・・」と後悔しきりなのは、
「雨天順延」のまったくきかない、タイトなスケジュールであったからですね。

ポーリン温泉は、戦時中に日本軍が掘り当てたという温泉で、
観光名所であるとともに、地元の人たちの憩いの場所にもなっているようです。
キナバル自然公園から、ここまでは車で1時間もかからないのに、
かなりの標高差があるようで、気温はまったく違います。
われわれは確かに南の島にいるのだな・・・ということを実感できる暑さで、
熱帯の直射日光がチリチリと肌を焦がします。

ラフレシアが近所で咲いているらしい、という情報を到着時に確認してあったので、
これはあとで案内してもらうことにして、まずは、ビワハゴロモを探します。

コロギスの仲間と、それを見つけた場所
「コロギスの仲間と、それを見つけた場所」

最初に発見したのはコロギス。
日本のコロギスならば、日中は、葉をつづり合わせた巣の中に潜んでいるものですが、
葉っぱの表面に堂々と止まっており、これにはビックリしました。
しばらくして、葉っぱに直射日光が当たるようになると、さすがにこれを嫌がり、
重なり合う2枚の葉のすき間に隠れました。
上の写真は、その状態から、上の葉をそっと持ち上げて撮ったものです。
隠れる際にはこうして長い触角をループ状にまとめ、
なるべく外に飛び出さない工夫をするのでしょう。

卵のうを守っていたカマキリ
「卵のうを守っていたカマキリ」

次に、コロギスのすぐそばの葉裏で、卵のうとともに細身のカマキリが見つかりました。
おそらく、自分で産んだ卵のうを保護しているのでしょう。
ぼくに気づき、落ちつかないそぶりを見せますが、卵のうから離れようとはしません。

ここへ来る時に使ったタクシーには、すでに往復分の支払いを済ませてあり、
迎えに来てもらう時間を約束してあったので、
ラフレシアを見に行く時間も考えると、ビワハゴロモを探す時間は、残りわずかです。
見つけられないまま時間だけが過ぎていき、だんだん焦ってきました。

仲間うちでは、目的の昆虫をあまりにもたやすく発見することから、
昆虫の召喚能力があるにちがいない、と噂されるIさんと行動をともにしたのは、
その神がかり的な能力を、これまでに何度も見せつけられているからですが、
国境を越えてなお、その超自然的な(?)力が有効かどうかはわかりません。

ラフレシアを取るか。
それとも、ラフレシアを諦めてでも、ギリギリまでビワハゴロモを探すか。
あと15分以内には決めないと、自動的にラフレシアは諦めざるを得なくなります。

「いたよ~!」
と遠くから呼ぶIさんの声に、一気にテンションが上がり、
何度かコケそうになりながら、全速力で駆けつけます。
います、います! 本当に、樹皮に大きなビワハゴロモが止まっていました。
さすがはIさん。その摩訶不思議な昆虫召喚力は、ワールドワイドで有効です。

ビワハゴロモ(Pyrops whiteheadi)
「ビワハゴロモ(Pyrops whiteheadi)」

大きさは、5センチほどもあるでしょうか。
1センチにも満たないような日本のハゴロモ類を見慣れていると、
これはもう、規格外の大きさと言ってよいでしょう。
明らかにぼくを警戒しており、ヨコバイのように樹皮を回り込んで、
視線の届かない裏側に隠れようとします。
おそらく最初で最後のチャンスになるはずです。絶対に逃がさないようにしなければ・・・。
ポーリン温泉の観光客の動線から、手を伸ばせばすぐに届くような木におり、
観光客からの干渉も気になります。

「何がいるのか?」、「その虫は何だ?」などと言っているのでしょう。
各国の言語で口々に話しかけてくる大勢の観光客を背中で拒絶しながら、
必死でビワハゴロモを撮影しようとします。
何とか、(よし、撮れた!)と思った瞬間、ビワハゴロモは、びゅん!と飛び立って、
視界から消えました。(間に合ってよかった・・・)、と胸をなでおろします。
Iさんは、まだ自分の撮影が十分でない中、ぼくにチャンスを譲ってくれた格好です。
発見のお手柄といい、これはぜひ、帰国したらご馳走しなければなりません。

いよいよ、残すはラフレシアだけです。
開花情報を教えてくれた青年を大急ぎで見つけ出し、案内を頼みました。
タクシーとの約束の時間まで、あと15分ほどしかありませんが、
「近いので大丈夫!」と笑います。
ポーリン温泉の敷地を出る際に、ちょうど到着したタクシーの運転手に会うことができ、
「ウイGo toラフレシアWatching、ここで待ってて、Back soonね!」
と言えたので、少し安心しました。
ブロークンにもほどがある、というか、何それ? と、Iさんは呆れていましたが、
ラフレシア案内の青年が口添えしてくれたので、何とか運転手に通じたようです。

ラフレシアは、個人の敷地内にあるということで、そのお宅に30リンギット(約千円)
の謝礼を払い、庭を抜けてバナナ園を通りすぎ、ジャングルの入口に到着しました。
景観の変化こそ目まぐるしいものの、確かに、わずか数分の距離です。

ラフレシア・ケイティ(開花4日目/8日目/つぼみ)
「ラフレシア・ケイティ(開花4日目/8日目/つぼみ)」

おお! これがラフレシアか。
写真や映像で何度も見てきた、あこがれの巨大な花がそこにありました。
開花4日目で、写真に撮れるギリギリの段階だそうです。
周囲には、開花8日目だという、すっかり腐って原形をとどめない黒い塊と、
4ヶ月目を迎えたというつぼみもありました。数ヶ月~1年をかけてつぼみが成長し、
開花したら、花の命は1週間もたないそうです。

噂に聞いていた「異臭」は、一切しませんでしたが、
あとで調べてみると、スマトラ島などで見られる最大種のラフレシア・アーノルディ
(R.Arnordii)は腐ったような臭いがするものの、
ここボルネオ島のラフレシア・ケイティ(R. Keithii)は、臭わない種だそうです。
ちなみに、花の直径が最大1メートルにも達する「アーノルディ」と比べて、
この「ケイティ」は少し小ぶりで、大きくても80センチ程度とのこと。
確かに、ぼくらが見たものも、目測で70センチぐらいではないかなと思いました。

目的のものを2つとも見ることができ、タクシーにも奇跡的に遅刻せずに済みました。
走り出した車の中から遠くを見ると、キナバル方面には灰色の雲がかかっています。
ほどなく雨が落ちてきて、キナバル到着直後には、強いスコールとなりました。

つねに雨雲に追いかけられ、天候に恵まれた旅ではなかったものの、
旅の目標の8割程度は達したと言えるでしょうか。
雨に煙るキナバル山の山容を、いつの日か、懐かしく思い出すこともあるでしょう。
 コタキナバル市内から、キナバル自然公園までは、車でおよそ2時間。
4人分の大きなスーツケース込みで、全員が乗れる大型のタクシーを手配しました。
現地到着までの間に、ここで降りてみたいというリクエストを2度しましたが、
全員が1台に同乗していれば、そんな相談もしやすいというものです。

キナバル自然公園に到着すると、管理事務所でチェックインの手続きをします。
ぼくは旅の手配を、仲間に全部任せてしまっていたので、
こんなにいい部屋だとは知らず、ビックリしてしまいました。

宿泊したロッジの部屋と、ロッジから見えるキナバル山
「宿泊したロッジの部屋と、ロッジから見えるキナバル山」

素敵なロッジの室内探険は、あとのお楽しみということにして、
さっそく公園内の散策に繰り出します。
ここは、キナバル山(4095m)登山の拠点となる場所ですから、
公園自体がすでに1500メートルほどの標高にあり、空気はひんやりとしています。
管理事務所でもらった地図上にshelter(シェルター)と記載されている「あずまや」が
各所に点在していますが、豪雨の際の避難所(=シェルター)としては確かに有効で、
その後、何度か経験するスコールの際に、「ここは本当にシェルターだねえ・・・」と、
そのありがたみを、つくづく感じることになります。

「あずまや」には、外灯が設置されているものがあり、
夜になれば虫が集まってくると聞いていたので、「居残り組」がいないか?
と4人で丹念に探しますが、あまり大したものは見つかりません。
宇宙人の顔のような、おもしろい模様を持つ甲虫がいました。
ハムシの仲間でしょうか。3ミリほどの大きさです。

顔のような模様を持つ甲虫
「宇宙人の顔?」

整備された歩道から一歩トレイルに踏み込むと、周囲はとたんにワイルドな様相を呈し、
雨でぬかるんだ斜面は、派手に転びそうで危険です。
「成田から、ずっと長靴姿っていうのも、どうよ?」と、
仲間に見放されそうになっても、長靴で来た甲斐がありました。
足首まで埋まるようなぬかるみにも、怖れずに踏み込んでいくことができます。

サンヨウベニボタルと、その頭部のアップ
「サンヨウベニボタルと、その頭部のアップ」

このような湿った場所にいると聞いていた、サンヨウベニボタルに会えました。
「サンヨウ」とは、三葉虫のことで、確かに姿がよく似ています。
「幼形成熟」と言って、メスは幼虫と同じような姿のまま成虫になりますが、
この個体が、どの段階のものかは、ぼくにはわかりません。
それにしても、頭部の小さいこと!

ハタザオツノゼミの仲間
「シロオビハタザオツノゼミ」

キナバル自然公園の外で、仲間が見つけてくれたハタザオツノゼミの1種。
お尻から出す甘露をねだるアリの群れに取り囲まれて、細部がよく見えません。
今回は、旅先でも白バック撮影ができるように、その準備をしてきた甲斐がありました。
このツノゼミは、「ツノゼミ ありえない虫」や、「昆虫はすごい」などの
ベストセラーで有名な丸山宗利さんに、Pyrgauchenia tristaniopsisという種であることを
教えていただきました。
(丸山さんは本日、23:00よりTBS系で放送される「情熱大陸」に出演されます。)

キナバル自然公園内には、食事のできるお店がもともと2軒しかないのですが、
6月5日に当地を襲った大地震以来、店を閉めていたバルサム・カフェが、
9月1日より営業を再開していました。
もう1軒のレストランより、こちらの方がおいしいという噂(そのとおりでした)で、
再開直後のお客になれたわれわれはラッキーです。

バルサム・カフェ
「バルサム・カフェ」

バルサム・カフェは、谷底のような立地条件にあり、遠くからの見通しはきかないのですが、
夜になると、お店の灯りには、けっこうな大物が飛んでくるらしいです。
それを期待して、外のテラス席を選んだのですが、ハエが寄ってきただけで食事終了。
勘定を払って店を出ようとすると、ぼくらが虫さがしの一行であることを知っている
店員のマルヴィンさんが、バタフライが来ているよ、と教えてくれました。

アトラス・モスと、マルヴィンさん
「アトラス・モスと、マルヴィンさん」

マルヴィンさんが指さす先を見れば、なんと、アトラス・モス(ヨナグニサン)が!
大物も大物、翅の面積では世界最大の蛾です。
日本のヨナグニサンにもまだ会ったことがないのに、
初めての出会いがボルネオ島になるとは(笑)。

マルヴィンさんが、手に載せて、大きさ指標のモデル(?)になってくれました。
料理もおいしかったけれど、1日の締めくくりに、この上ない大物がやってきてくれて、
すばらしいディナーとなりました。
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