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 先週の日曜日(19日)。昆虫エッセイストの鈴木海花さん、昆虫記者の天野和利さん
そして昆虫を題材にした物語で、何度も受賞歴のある中学生の新井麻由子ちゃんなど、
総勢8名の虫仲間で、春の里山を歩いてきました。
ときどき雨のパラつく1日で、お天気はイマイチだったけれど、
たくさんの昆虫に出会えて、みんな十分満足できたようです。

しっとり濡れる春の里山風景
「しっとりと濡れる春の里山風景」

陽射しのない状況では、チョウやトンボなどの「飛びもの」は、全く期待できません。
しかし、こんな時こそ、足もとの小さな世界をじっくりと観察するチャンスです。
丸太のような倒木を抱き起こして、「地下の世界」を垣間見てみました。
倒木の下というのは、土を掘らなくても、十分に暗く湿っており、
本来「地下の世界」で展開されているべきことが、地上に露出していることがあります。

アリヅカコオロギsp
「アリヅカコオロギの仲間.」

トビイロケアリが、擬似「地下の世界」を築いていました。
アリ自身も、労せずして、地下と同じ環境を享受できるわけですね。
さっそく、小さな昆虫を見つけるのがうまいSさんが、アリヅカコオロギを発見。
アリの巣に同居する、「好蟻性(こうぎせい)」昆虫です。
体長は、およそ3mmといったところでしょうか。
ぼくのような老眼のオッサンでは、「何か動いているようだが、はて?」といった感じで、
ファインダー越しに拡大して見ないと、肉眼ではほとんど認識できません。

ほどなく、今年こそ、いるかな? と期待していた、アリスアブの幼虫を発見!
鈴木海花さんが、ずっと見たいとおっしゃっていた昆虫です。去年もこの場所をご案内し、
しかし去年は見ることができなかったため、「2年越しの恋人」ということになりますね。
この虫も、トビイロケアリの巣に同居している昆虫です。
まるで、地球外生物のような姿。
アリスアブ幼虫(上)と蛹
「アリスアブの幼虫(上)と蛹(下)。いずれも、頭は左側」

気温が上がらないので、飛び立てず、食草のギシギシで翅を休めるベニシジミ。
こういう時は、さまざまな撮り方を試してみるチャンスです。
レンズを交換し、3つの異なるパターンを撮っておきました。
ベニシジミ撮り分け
「ベニシジミの撮り分け」

左は、一眼レフに、望遠系マクロレンズ(マイクロニッコール85mm)、
中は、一眼レフに、魚眼ズームレンズ(トキナー10~17mm)、
右は、コンデジ(オリンパスTG-3)に、ドアスコープレンズ(魚露目8号)をつけたもの。
コンデジの「タテヨコ比率」は、3:4なので、一眼レフで撮った2:3の画像は、
並べて見せるために、上下を少しカットしています。

オオアヤシャク幼虫
「オオアヤシャクの幼虫」

この日の真打ちと言えば、この方でしょうか。
コブシの芽に化けた擬態名人、オオアヤシャクの幼虫。
色や形が芽に似ているというだけでなく、ポーズまで含めた擬態です。

たくさんの虫たちに出会えて、みんな満足してフィールドを引き揚げました。
近いうちに、晴れた日をねらって、もう一度訪れたいものです。
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 去年9月17日にアップした、「きみは、オナガミズアオ?」 の続編です。
ある森で得られる「謎の幼虫」は、一見オナガミズアオのようでいて、
重要な識別ポイントが、オナガミズアオのそれとは全く一致しない、と書きました。
http://moriuenobuo.blog.fc2.com/blog-entry-14.html

そして、

今度こそ、飼育下で羽化させて確かめる覚悟を決めたものの、なにしろ羽化は翌春です。
「オナガミズアオに間違いありませんでした」、とご報告できるのは、
まだまだ遠い先の話になりそうです。

と書きましたが、その「翌春」が訪れて、「謎の幼虫」は4月16日に羽化し、
実に、7ヶ月ぶりにオナガミズアオであることが判明しました。

オナガミズアオ♀(白バック)
「オナガミズアオ♀(白バック)」

前ばねの前縁のワインレッドの部分に注目すると、しっかりと白く縁どられており、
この縁どりが曖昧なオオミズアオとは、明らかにちがうことがわかります
(このほか、触角の色や、後ろばねの眼状紋の形も識別ポイントになります)。

オナガミズアオ・奇妙な止まり方
「オナガミズアオ・不思議な止まり方」

枝に止まらせてみると、実に不思議な止まり方をします。
多くのヤママユガ科は、はねをぺたっと開いて止まりますが、
はねを、打ち下ろすような形で前へ伸ばし、
両方の前ばねの先端が、今にもくっつきそうです。
灯りに飛んできて、壁に止まったオナガミズアオが、
オオミズアオと比べて、前ばねを著しく下げたスタイルを取りたがることは
知っていましたが、ただ下げたいというよりも、
本当は「打ち下ろす角度」を取りたいのだな、と思いました。
壁は2次元の世界ですから、壁に、はねをめり込ませない限り
打ち下ろす角度は取れないので、
よく見る姿は、彼らが本当にしたい姿勢とは、少しばかり異なるのでしょう。

オナガミズアオ♀
「オナガミズアオ♀」

刺激して、はねを開かせて撮影したカットです。
しかし、居心地が悪いのでしょう。ほどなく、はねを打ち下ろす角度にしてしまいます。
まるで「お行儀の悪いオオミズアオ」といった風情です。

それにしても、オオミズアオ幼虫との、最も安定した識別点とされている
「毛束つけ根の黒いリング紋」は、種間識別点としては機能しない、
ということに、おそらくなるのでしょう。
当ブログの読者の方からも、すでにそのような情報をいただいていましたが、
今後、自分で書く本では気をつけたいものです。

あと2つ、羽化を待っている繭がありますが、こちらはオオミズアオです。
6月に出す本に載せる写真を撮るために、じりじりしながら羽化を待っています。
1週間以内に羽化してくれないと、間に合わないでしょう。
すでにメスの写真でページが組まれているので、羽化しなくても本はできますが、
オオミズアオは、オスの方がずっと格好がよいので、
オスが羽化すれば、写真を差し替えたいと思っています。

ということで、羽化を期待していたのはオオミズアオの方であって、
オナガミズアオの姿を見たときは、「おまえか!」と叫んでしまいました。
「謎の幼虫は、やっぱりおまえ(オナガミズアオ)だったか!」が半分、
「3つも繭があって、ぜんぜん急いでいない、おまえが最初か!」が半分です。
このオナガミズアオにしてみれば、
「ずいぶんなごあいさつね」、といったところでしょうか・・・。
 ブログの更新ペースがひどく落ちております。すみません。
4月中は、この状態から脱け出せないかもしれません・・・。

さて、デスクワークが延々と続き、なかなか自発的に出かける気力も沸かない中、
虫仲間から、一緒にギフチョウを見に行きませんか? と誘っていただき、
日帰りで出かけてきました。

ギフチョウをねらう人たち
「ギフチョウをねらう人たち」

ここは有名産地で、ギフチョウより、
それを見に来る人の方が多いぐらいだと聞いていましたが、
なるほど、本当にそんな感じです。
高価な機材の放列を前に、少々気おくれしてしまい、
後ろの方から人垣ごしに狙いますが、これでは全然ダメ。

ギフチョウ(空バック)
「ギフチョウの吸蜜」

そんなに長いレンズを持ってきているわけではないので、この程度の写真しか撮れません。
しかもこれは、翅がやぶれたボロボロの個体です。この写真が本に載る日は来ないでしょう。

カメラマンの集団がばらけるのを待って、なんとか、すき間にもぐり込むことができました。

ミツバツツジ?にギフチョウ
「ミツバツツジ?に来たギフチョウ」

今度は、傷の少ない個体を大きく撮ることができましたが、
せっかくストロボの射程距離に入ったというのに、
カメラの内蔵ストロボをポップアップするのをすっかり忘れており、これまた失敗・・・。
胴体を中心とした黒い部分が完全につぶれており、惜しくも失敗写真です。
ほんの少しストロボ光が効いていれば、まったく違った写真になっていたと思いますが。

オオイヌノフグリにギフチョウ
「オオイヌノフグリに来たギフチョウ(挿入写真は口吻の拡大)」

足もとに現れたギフチョウが、オオイヌノフグリにぶら下がるように止まり、
吸蜜を始めました。 ファインダーを覗いて撮れる高さ・角度ではなかったので、
コンデジをギフチョウの下に差し入れ、モニターを見ることもなく、ダメもとの撮影。
手前に、じゃまな草が入ってしまいました。 う~ん、どうもうまくいかない。
拡大してみると、口吻の先端が花の中心部をピタリと突いており、おお、見事なものだな・・・
と、そこには感心してしまいましたが。

イタドリハムシ、ギシギシを食べる
「イタドリハムシ、ギシギシを食べる」

いちばんの収穫と言えば、この写真が撮れたことでしょうか。
イタドリハムシの摂食の写真は、近く必要になることがわかっているので、
この写真と、もう1点、摂食中の口もとが、もっとよく見える写真が撮れたことは、
今回の収穫だったと思います。

それにしても、こんなふうに、目先の企画のための写真を取りそろえることに
汲々としているようではダメで、もう少し気持ちに余裕を持たなければイカンなあ・・・
と、つくづく反省した1日でした。 そういう境地になることができれば。
もっと落ちついて、ギフチョウも成功カットを撮ることができたかもしれません。
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