2019.06.27  お知らせ
 出版のお知らせが1点と、講演会・観察会のお知らせが2点です。

「『小昆蟲大舞臺-獨特觀察角度的昆蟲圖鑑』表紙」
「『小昆蟲大舞臺-獨特觀察角度的昆蟲圖鑑』表紙」

ご好評をいただいております『虫・むし・オンステージ!』(フレーベル館:2018年刊行)
の中国語繁体字版が、『小昆蟲大舞臺-獨特観察角度的昆蟲図鑑』というタイトルで
台湾の出版社から出版されました。

こちら↓からお求めいただくことができます。
日本円に換算すれば、1,321円ぐらいでしょうか?
https://www.bookrep.com.tw/?md=gwindex&cl=book&at=bookcontent&id=13714

日本語がわかる人なら、繁体字は意外に意味が取れるので、日本人が見ても面白いです。
たとえば、以下は巻末のぼくのプロフィールですが、

「繁体字版の著者プロフィール」
「繁体字版の著者プロフィール」

過去の著作の『虫のくる宿』は、『吸引昆蟲家』、
『樹液に集まる昆虫ハンドブック』は、『樹液誘因昆蟲手冊』となっており、
ちゃんと意味が伝わります。
「~昆虫がアイドルだった昆虫少年がカメラを手にし、そのアイドルの”追っかけ”に転じ、
現在に至る~」の、”追っかけ”は、「追星族」となっていますね。
おお、なるほど、という感じです。

本書には、イマドキの日本的なギャグ・ユーモアが随所に散りばめてあり、
翻訳者は、おそらく大変だったろうと思います。
原文に忠実に翻訳しても、それで面白味が薄れては何にもならないわけですが、
見ていると、そうならないようにうまく創作を織りまぜてくださっているように思えます。
翻訳者は台湾のかたで、現在は九州大学の博士課程に在籍中と書かれていますから、
両国の昆虫に精通しているかたなのでしょう。

台湾の小熊出版さんが作ってくださったCM動画がこちら。
https://ppt.cc/fSjeDx
う~ん、これはぜひ日本語版も欲しい…。

以下は、講演会・観察会のお知らせです。
まずは、8月18日(日)の長池公園(東京都八王子市)。

「講演会チラシ(長池公園)」
「講演会チラシ(長池公園)」

こちら↓は、8月24日(土)の「桜丘すみれば自然庭園(東京都世田谷区)」です。

「講演会チラシ(桜丘すみれば自然庭園)」
「講演会チラシ(桜丘すみれば自然庭園)」

どちらも夏の暑い盛りですが、
野外でのワークショップと、涼しい室内でのお話が半分ずつになるように
タイムスケジュールを組みたいと思っています。
みなさんの参加をお待ちしております。
 新刊 『ポケット版 身近な昆虫さんぽ手帖』 を多くの方にお買い求めいただき、
ありがとうございます。 アマゾンランキングでは一時、
ジャンル別の2位まで行きましたが、惜しくも1位にはなれませんでした。残念。

さて、埼玉県主催の企画「ミドリシジミを見る集い 2017」が6月24日に行われ、
解説指導員を務めてきました。梅雨時で、天候が心配されましたが、
朝から日が射す1日で、16:30から行われるイベント前に、会場の自然公園を一廻り。
ミドリシジミの活動時間帯は夕方なので、昆虫の観察会としては異例の集合時刻です。

梅雨の晴れ間のさわやかな林内
「梅雨の晴れ間のさわやかな林内」

「集い」のスタッフ業務を務める「埼玉昆虫談話会」の会員の方と、
カメラを持って、広い園内をウロウロ。下草には、イノコヅチカメノコハムシの幼虫や、
美しいハエトリグモ・ヨダンハエトリの姿が。
イノコヅチカメノコハムシの幼虫のお尻(写真上方)に堆積するのは、
脱皮で不要となった過去の外皮。つまり、ぬけがらを背負って生きています。

イノコヅチカメノコハムシの幼虫(左)と、ヨダンハエトリ
「イノコヅチカメノコハムシの幼虫(左)と、ヨダンハエトリ」

倒木の下でゴミムシを見つけたり、樹液でスズメバチの観察をしたり、
今年初めて、特別な目的を持たない昆虫探しをしましたが、これが実に楽しい!
撮らなければならないノルマはいろいろあるものの、時期と場所からみて、
今日はそれらの撮影は不可能と早々に判断したため、
虫を探す午後の時間が、ゆっくり、まったりと過ぎていきました。
こんなふうに、殺気立っていない時にこそ、思いがけない出会いがあるもので、
枯れ木の中から外の世界へ出てこようとするタマムシを発見。

タマムシの誕生
「タマムシの誕生」

途中で体がつかえてしまい、いったん引っ込んだものの、
木をかじって穴を拡げ、のっそりと外の世界に出てきました。
新刊 『ポケット版 身近な昆虫さんぽ手帖』 にも、同じ場面の写真を載せていますが、
今回の写真の方が、美しく撮れたかな・・・。
出たばかりの本に載せたシーンが、発売直後にもっとよく撮れてしまうという
不思議なできことを、これまでにも何度か経験しています。
果たしてすぐに飛べるのだろうか? と思いつつ見ていましたが、
はねを広げるや否や、あっという間に視界から消えていきました。

飛ぶ直前のタマムシ
「飛ぶ直前のタマムシ」

イベントの時間が近づいたので集合場所へ。 腕章を受け取って、参加者を待ちます。
ミドリシジミを採集して参加者に見せるため、「長竿」と呼ばれる柄の長い捕虫網を
スタッフの方が準備していました。
公称6m同士の争いですが、片方は少し足りないかな?

ぼくと長竿と参加者(お顔の写っている一部の方にはモザイクをかけています)
「ぼくと長竿と参加者(お顔の写っている一部の方にはモザイクをかけています)」

89名もの方に参加していただき、ミドリシジミのオス同士がなわばりを争う
卍巴(まんじともえ)飛翔や、その他の昆虫観察を楽しんでいただきました
(解説指導員はイベント中、写真が撮れませんので、
ミドリシジミの写真は今回ありません)。

夜は場所を移動して、仲間との楽しい徹夜ライトトラップ。
思いがけない虫が飛来するたびに、夜の森に歓声が響き、
朝まで楽しい虫談義に花が咲きました。

朝までライトトラップ
「朝までライトトラップ」
 8月21日(日)に、「たまがわ・みらいパーク」で「昆虫写真の撮り方講座」を
行いました。 「みんなでつくろう! 立川いきものデータベース 第1弾 昆虫編」
という企画が近日中に始まりますので、それに備え、東京都立川市からのご依頼で
「昆虫の探し方、近づき方、撮影のコツ」などをお話しさせていただきました。

「立川いきものデータベース」サイトの、プレオープン版がこちらで見られます。
https://ikimono-tachi.jp/
近日中に本格稼働の予定で、写真の投稿資格は、立川市民でなくてもよいそうです。

講座は、
(1)スクリーンに投影した作例写真をご覧いただきながらの座学
(2)室内での撮影指導
(3)野外での実習
と3つのステップで行いました。

座学の時間(Kさん撮影。以下同)
「座学の時間(Kさん撮影。以下同)」

黄色の矢印がぼくです。
小学生からシニア層まで、幅広い年齢のお客さんにお越しいただいたため、
もしかしたら、お子さんには少しむずかしいお話もあったかもしれません。

室内での撮影指導(参加者の方にはモザイクをかけてあります)
「室内での撮影指導(参加者の方にはモザイクをかけてあります)」

「ムシムシ探検隊・立川」の加藤さんと千葉さんにご協力をいただき、
カブトムシ、ノコギリクワガタ、ゴマダラカミキリ、ナナフシなど、
前もって採集していただいた昆虫をモデルに、まずは室内でのウォーミング・アップ。
逃げられるかもしれない・・・という不安がないと、
思う存分、さまざまな撮り方を試してみることができます。

参加者のみなさんのカメラは、一眼レフあり、ミラーレス一眼あり、コンデジあり、
そして、スマホやタブレットまであって、フィルムカメラで育ったぼくとしては、
新しい時代を感じます。タブレットなどは、撮影後の表示画面がパソコン並みに大きく、
目の前にいる実物の昆虫よりも、表示サイズの方がはるかに大きいわけですから、
迫力満点です。

野外での実習(参加者の方にはモザイクをかけてあります)
「野外での実習(参加者の方にはモザイクをかけてあります)」

抜けるような青空のもとでの野外実習。
前日までの雨の予報が嘘のようです。
野外では、虫を見つけること、逃げられないように近づくこと、
これら「撮影以前」の段階が意外にむずかしいものだということも、
実際に体験してみないとわかりません。
多摩川の河川敷は明るく、この日はそれほど風も強くなかったため、
撮影には絶好の条件でしたが、ひとたび雑木林に入れば
撮影に十分な明るさがなかったり、あるいは、ヤブカの猛攻撃を受けたり、
そのうえ強い風でも吹くと、撮影の難易度はぐんと高まります。

昆虫撮影では、前かがみになることが多いため、暑い季節には
額から流れ落ちる汗で、メガネのレンズがびしょびしょにもなることもあります。
そうなると、肉眼で昆虫をしっかりとらえることさえむずかしくなるため、
メガネ使用者はヘアバンドなどで、流れ落ちる汗をせきとめた方がよいということも、
座学の時間にお話ししました。

講座に参加されたみなさんは、その後、傑作が撮れたでしょうか?
「立川いきものデータベース」への、すばらしい投稿をお待ちしています。
 兵庫県伊丹市にある「伊丹市昆虫館」で、
「企画展『だっぴ』・・・ひと皮むけましてん」が、あす27日(水)より始まります。

「企画展『だっぴ』・・・ひと皮むけましてん」のポスター
「企画展『だっぴ』・・・ひと皮むけましてん」のポスター

企画タイトルが、いかにも関西っぽいですね(笑)。
4月18日(月)まで、という長期開催で、ぼくの写真もたくさん使って
いただいておりますので、お近くの方はぜひご覧いただければ幸いです。
伊丹市昆虫館のサイトはこちら→ http://www.itakon.com/

顔ハメ看板
「顔ハメ看板」

観光地でよく見かけるような、顔ハメ看板。
企画展の間、館内に設置されるそうです。こちらも、ぼくの写真で作っていただきました。
「虫とツーショット」ではなく、「虫になってツーショット」ですね。
お子さんと一緒に、記念写真をどうぞ。

さて、前回の記事に書いた「プラタナスグンバイ」ですが、
やはり、あの木の樹皮下で集団越冬していることがわかりました。
といっても、ムクドリが本当に彼らを食べていたかどうかは、推測の域を出ませんが・・・。
3ミリ強ほどの小さな虫で、わずかな隙間にも身を潜めることができ、
浮いた樹皮をほんの少しめくるだけの、非常にせまい範囲でも発見できます。

樹皮下で越冬中のプラタナスグンバイ
「樹皮下で越冬中のプラタナスグンバイ」

「外来種」で、しかも「街路樹の害虫」というダーティーなプロフィールですが、
非常に美しい虫だと思います。
この場所はプラタナスの並木になっており、ほかの木でも探してみたのですが、
なぜか1匹も見つからず。この1本の木だけに集中しています。

環境条件がまったく同じに見えても、実際に虫に選ばれるのは、そのうちの1つだけ、
という現象は実は珍しいものではなく、たとえば同じような条件の沼が多数ある場所で、
たった1つの沼だけにゲンゴロウが集中している、といったケースはよくあることです。
われわれ人間にはわからないレベルの「微差」が、重要な選択指標となっているのか、
あるいは、フェロモンのようなものを出して「集合をかけている」のか。
それこそ虫になって訊いてみたいものです。
 7月28日にトークライブ、そして31日に写真展がぶじ終了しました。
たくさんの方にお越しいただき、感謝の思いでいっぱいです。
ありがとうございました。

終了後は、そのまま大阪へ行き、しばらく虫仲間と過ごして帰ってきました。
一応、本の企画の相談で・・・という名目ですが、
過ごした時間の93%ぐらいはレクリエーション。 まあ、これも想定の範囲内です。

トークライブ(ジュンク堂書店 池袋本店にて)
「トークライブ(ジュンク堂書店 池袋本店にて)」

上の写真は、28日のトークライブで、
ストロボディフューザー「影とり」の使用例を説明しているところ。
ぼくは、スタジオで多灯照明を行うときも、手前から入れる正面光は、
カメラの内蔵ストロボを使い、「影とり」を併用することが多いです。
至ってシンプルな照明ですが、正面光は多くの場合、
「レフ板」程度に効けばよいので、これで十分。
左は、トークのお相手の鈴木海花さんです。

スチール撮影
「スチール撮影」

こちらは、終了後に紹介用のスチール写真を撮ってもらっているところ。
いずれ動画配信されるらしく、その際の告知に使う・・・と聞いたような気がします(笑)。

サイン会
「サイン会」

お客さんが一人も並ばなかったらどうしよう・・・と思ったサイン会も盛況のうちに終り、
ぼくにとっては激動の7月が過ぎていきました。

地鶏と自撮り
「地鶏と自撮り」

写真展撤収後は、お手伝いに来てくださった方たちと、地鶏で打ち上げ。
ここはもちろん、「自撮り作家が、地鶏と自撮り」 という
小ネタを欠かすわけにはいきません(笑)。

明日は、「虫とツーショット」はどのようにして撮られているか、
ライターさんに、ぼくの1日を密着取材していただきます(近日中に告知します)。